注文住宅施工実績 二人の間に仕切りはいらない縦・横・斜めにつながる空間
栃木県/池谷さんご夫妻
延べ床面積99.2㎡
建築価格帯1,500万円~2,000万円
壁を減らして開放感を優先
注文住宅の強度は柱でカバー
ウッディーな外観の池谷様のお宅でひときわ目を引く大きなデッキ。
「住み始めて1ヵ月の間に、ここで2回もみんなとバーベキューをやっちゃいました」とご主人はニコニコ顔です。
〝みんな〟とは、ご夫妻が週末の活動を楽しみにする吹奏楽団の仲間のこと。
「合奏もしたよね」と、吹き抜けのリビングを指して奥様もうれしそうです。
「音が響いてうまく聞こえるんですよ」
音楽をはじめ、山登りや晩酌など、趣味や嗜好が共通するご夫妻。
二人の暮らしに仕切りは不要と考え、オープンな空間を望みました。
出来上がった家は、洗面所やパントリー、そして楽器庫以外はほとんど間仕切りの壁のない大胆なつくり。
寝室でさえ吹き抜けに向かって開いています。
そもそも狭い場所が嫌いなご主人は、「壁が近くなくて気持ちがいい」と、寝心地の良さを喜びます。
「鹿野建設さんには、『ここも壁がなくていいのですか!?』と驚かれました。
でも、私たちの希望をすべてかなえてくれるのが鹿野さんの誠実なところ。
できないとは言わないんです」とご主人は振り返ります。
壁を減らすことで心配なのは家の強度。
現場監督の小林さんは、「しっかりと構造計算して、壁がない分、柱を増やしました」と説明します。
階段とキッチンの脇の洒落たブラウンの柱は、実は構造柱。
「見出しの柱も、こうして塗装すればインテリアの一部になります」と、見栄えへの配慮もありました。
「1階と2階とで会話ができる注文住宅」
と、ホールのような家の一体感を喜ぶご夫妻。でも、もし一人になりたくなったら?
「楽器庫ですね。ここは締められますから」。
奥様がそう笑うとご主人も笑顔で返す、仲むつまじいご夫妻にぴったりのお宅です。
現場監督の小林さん( 右)と。鹿野建設からの資金アドバイスで外飲みを控えたご夫妻。
「今は家飲みの方がすごく楽しいです」と新生活を満喫中。
ポイント
ご夫妻の出会いの場は地域の吹奏楽団。
薫(かおる)さんはチューバ、敦子( あつこ)さんはコントラバスを演奏する。
吹き抜けのリビングでは、ご近所に配慮しながら仲間と合奏を楽しむことも。
バーベキューのために家をつくったと言っていいほど池谷家はバーベキュー好き。
念願のウッドデッキで家庭菜園の採れたて野菜を食べるのが夏の楽しみ。
できるだけ仕切りをなくしたことで、家全体にホールのような一体感と開放感がある。
また、あえて目立つ場所に一直線に配置した階段が、洋館のようなスケールを感じさせる。
キッチンの勝手口からウッドデッキへ、大好きなバーベキューにキッチンから便利な動線。
階段下に設けた作業カウンター。PCを置く予定。
カウンターを挟んだお気に入りのくつろぎ空間。
ふすまと畳の縁をえんじ色で揃えた和モダンな客間。
壁は通りに面しているので明り取りの窓のみ設置。
2階フリースペースの真下にあたるキッチンは、奥様が「女子6人が入っても余裕だった」と
話す広々としたもの。奥はパントリー、楽器庫へと続く。
家を建てる上で優先度の高かった楽器庫。
二人とも大型楽器の担当なので、運搬しやすいように駐車場と直結させ、また、引き戸の内と外で段差をなくし、バリアフリーに。
リビングとキッチンに段差をつけ、キッチンに立つ人、カウンターに腰掛ける人、座卓で床に座る人の目線の高さをできるだけ合わせた。
シンク右側の柱は家を支える構造柱。
仲間を招くことが多いので、大きなパントリーは必須。
寝室からの眺め。
「帰宅後はリラックスしたい」というご主人は、床でゴロゴロできる座卓の生活がお気に入り。
床は無垢パイン。「やはり踏み心地が全然違います」。
フリースペースから見た2階寝室。吹き抜けに面してとても開放的。
明り取りの窓から差し込む朝日で「起きるのが早くなりました」とご夫妻。
寝室右手はウォークインクローゼット。
海が大好きなご主人が選んだターコイズブルーの鮮やかな浴槽。
「青い色の中に透明な水があるのは気持ちがいいです」
洗面室は幅2.7mの広々サイズ。くぼみ( 左手前部分)をつくって洗濯機を収めているためよりすっきりとしている。
憧れのログハウスをイメージして、外壁は木目調のサイディングを採用。
赤みの差した明るいブラウンが美しい。
(ieMADO 2013年9月号掲載)
栃木県宇都宮市の注文住宅フォーユーハウス